インターネット以前の世界

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ハイスタ全曲紹介⑨ ~ This Is Love

この曲は不遇の曲である。色々な意味で。

 

言ってみれば収録されたマキシ『Love Is The Battlefield』のリード・ソングなのだが、この作品の発表直後、ハイスタは突然に活動停止する。当時ライブでもちょくちょく演奏され、いわゆる「育って」いた真っ最中の注目曲だったのに、伸びしろを唐突にぶった切られた感がある。ファンの認知度も人気も、ここでぷっつりと途絶えてしまった。

 

そしてあろうことか、カップリングの"My First Kiss""Can't Help Fall In Love"というふたつのカバー曲が、なんというか予想以上のヒットとなってしまい追い討ちをかけた。煽りを食らった形で追い出されるように認知度はますます細り、そのせいかどうか、AIR JAM 2000のセットリストにも件の二曲は入っているのにこの曲は演奏されずじまい。オリジナル曲なのにカバーに負けて押し出されてしまったような形だ。

 

 

さらにさらに、この曲はインストとカバーを除いたHi-STANDARDの正式音源中で唯一、和訳・対訳がついていないのである。

筆者はこのCDを買った当時、

「あれ? 俺、不良品に当たっちゃったのかな。いつもの訳が載った別紙がついてない」

と不安になって友人と電話で確認し合った覚えがある。

「ああ、俺だけじゃなかったんだ。今回はついてないんだ」

と確認できた時の、あのホッとしたような寂しいようなアンビバレントな気持ち。あんなフィーリングはおそらく今後もうあまり経験できないだろう。

 

"Lift Me Up, Bring Me Down"が先行販売気味にシングルで切られた時も似たようなことがあった(このときは英詞すらついてなかった)。

が、この曲はその後アルバムに改めてバージョン違いが収録、その時にしっかりと英詞と対訳も発表された。なので"This Is Love"も同じパターンかなと思ってのんびり待っていたが、結局その後長いお休みに入ってしまい、10数年を経た今でも読めないままである。

 

大胆な意訳によって表現の可能性を広げた、一種の発明品とさえいえる対訳はハイスタの大きな大きな魅力の一つなので、是非とも今後もあきらめずにこの曲の訳詞発表をリクエストしていきたい。

 

難波氏はこんな風にうそぶいてはいるけど。

 

 

Can I say this is love

Why don't we just get lost in the wind

There's no end, forever together
This is love